【補助金】第1回:動物病院も対象!知られざる補助金活用の可能性

「補助金は製造業だけ」は大きな誤解です

動物病院を経営されている皆様、「補助金は製造業だけのもの」と思っていませんか?実は、動物病院も多くの補助金制度の対象となっており、設備投資や経営改善に大きく活用できるのです。

行政書士として多くの動物病院の先生方とお話しする中で、補助金に関する勘違いや誤解が非常に多いことを実感しています。「うちのような小さな動物病院は対象外でしょう」「申請が複雑すぎて無理」「医療機器は対象にならないのでは」といった声をよく聞きますが、実際はそんなことはありません。

近年、ペット市場は急速に拡大し、2022年度の国内ペット関連市場規模は約1.8兆円に達しています。この成長に伴い、動物病院にも高度な医療技術や最新設備が求められるようになってきました。

「最新のCTスキャンを導入したいが初期投資が大きすぎる」「電子カルテシステムで業務効率化を図りたいが予算が…」といったお悩みを抱える経営者の方も多いのではないでしょうか。

動物病院が活用できる主要な補助金制度

1. ものづくり補助金(最大3,500万円)

対象設備例

  • CTスキャン・MRI
  • デジタルレントゲン装置
  • 超音波診断装置
  • 内視鏡システム
  • ICU設備

補助金額

  • 従業員5人以下:最大850万円
  • 従業員6~20人:最大1,250万円
  • 従業員21人以上:最大3,500万円
  • 補助率:1/2~2/3

2. IT導入補助金(最大450万円)

対象システム例

  • 電子カルテシステム
  • 予約管理システム
  • 在庫管理システム
  • 顧客管理システム

3. 小規模事業者持続化補助金(最大200万円)

活用例

  • 看板・パンフレット制作
  • 小規模な設備投資
  • 広告宣伝費
  • 展示会出展費

よくある誤解:ホームページ制作について 「ホームページ制作は対象になるのでは?」というご質問をよく受けますが、単純なホームページ制作は原則として対象外です。ただし、ネット販売機能付きのホームページ予約システム連動型のホームページなど、明確な販路開拓効果が見込めるものは対象となる場合があります。

実際の成功事例

事例1:麻酔不要の高速CT導入

従来の麻酔が必要なCT撮影から、短時間で撮影可能な高速CTを導入。動物への負担軽減と診断精度向上を実現。ものづくり補助金を活用し、初期投資の約半分を補助金でカバー

事例2:脳神経系専門治療の開始

地域で不足していた脳神経系疾患の専門治療を開始。専門機器導入により地域唯一の専門施設として差別化を実現し、他院からの紹介患者が大幅増加。

事例3:電子カルテで業務効率化

紙カルテから電子カルテへの移行により、スタッフの業務負担軽減と診療時間短縮を実現。IT導入補助金を活用してシステム導入。

補助金活用の3つのメリット

1. 初期投資負担の大幅軽減

1,000万円のCT装置も、補助金活用で実質負担は500万円に。

2. 競争力の向上

最新設備による他院との差別化で、より広範囲からの患者獲得が可能。

3. 診療の質向上

高精度な診断機器により、飼い主様の満足度向上にもつながる。

動物病院の先生方によくある勘違い

勘違い1:「小さな病院は対象外」

→ 事実:規模に関係なく申請可能。むしろ小規模事業者の方が補助率が高い場合も。

勘違い2:「医療機器は対象にならない」

→ 事実:動物病院の医療機器も補助対象。CTやMRIなど高額機器の採択事例多数。

勘違い3:「申請が複雑すぎて無理」

→ 事実:行政書士などの専門家がサポート。書類作成から申請まで代行可能。

勘違い4:「競合が多すぎて採択されない」

→ 事実:適切な事業計画があれば採択可能。第15次ものづくり補助金では動物病院関連で45件が採択。

成功のポイント

1. 明確な事業計画

「どのような効果を期待するか」「地域医療にどう貢献するか」を明確にした事業計画が重要。

2. スケジュール管理

補助金には申請期限があるため、計画的な準備が必要。

3. 専門家のサポート

補助金申請は複雑で専門的。行政書士などの専門家サポートで採択率向上が期待できる。

まとめ

動物病院も多くの補助金制度の対象となっており、設備投資や経営改善に大きく活用できます。多くの先生方が持つ勘違いや誤解を解消し、適切な情報に基づいて検討することが重要です。

要点:

  • ものづくり補助金で最大3,500万円の医療機器導入支援
  • IT導入補助金でシステム導入支援
  • 小規模事業者持続化補助金は販路開拓が目的(単純なHP制作は対象外)
  • 実際の採択事例も多数存在
  • 適切な事業計画と専門家サポートが成功の鍵

次回は、最も活用しやすい「ものづくり補助金」について、動物病院での具体的な活用方法を詳しく解説いたします。

お困りの際は、補助金申請の専門家である行政書士にお気軽にご相談ください。

補助金制度は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトをご確認いただくか、専門家にご相談ください。


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行政書士にしかわ法務事務所

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